2008年06月21日(土)(テレビ朝日OA) 山形放送制作
山形県鶴岡市にある加茂水族館。今でこそ“クラゲの水族館”として人気を集めていますが、かつては施設の老朽化や展示内容が新鮮味に欠けるなどの理由から入館者が激減。閉鎖の危機にまで陥りました。しかし、経営がどん底となった1998年。大きな転機が訪れました。当時飼育課長だった奥泉和也さんが企画した「イソギンチャク展」から小さなクラゲの赤ちゃんが出てきて泳ぎだしたのです。試しにこれを水槽で飼い始めた奥泉さんは次第にクラゲに魅せられ、その2年後、日本海に広く分布するスナイロクラゲの繁殖に世界で初めて成功したのです。クラゲの繁殖を軌道に乗せた小さな水族館に、再びにぎわいが戻ってきました。その後も「クラゲ研究所」の設置や「クラゲアイス」を登場させるなど、ユニークな取り組みで話題を振りまく“地域に根ざしたオンリーワンのクラゲ水族館”。番組では“海の宇宙船”と例えられるクラゲの優雅な舞いを織り込みながら、目指すは「世界一のクラゲ水族館」という大きな夢に向かってチャレンジする、奥泉さんとスタッフたちの姿を追います。
かつて、「水族館の寿命は20年」と言われていました。そうだとすれば、建設から40年以上経つ加茂水族館はとうにその役目を終えたことになります。でも、この小さな水族館は元気いっぱいです。ある日水槽に現れた小さな生き物に一筋の光明を見いだしたスタッフたち。
◆チャンスは思わぬところにある◆
繁殖は全くゼロからのスタートでしたが、そこには『クラゲがくれたチャンスを生かして、何とか水族館を建て直したい』という奥泉さんたちの強い思いがありました。
◆地域の学習拠点でありたい◆
目指すのは、「生きた教材を提供する地域密着型の学習拠点」です。
◆未来ある水族館へ◆
いま、改築構想が着々と進むなか、加茂水族館は、クラゲの展示ナンバーワンから、
◆夢…オンリーワンの“クラゲの館”◆
山形が誇れる、オンリーワンの“クラゲの館”へと進化していきます。
◇ナビゲーター:金本美紀(山形放送アナウンサー)◇
◇ディレクター:山形放送 堀越武彦◇
『クラゲの知識もない…研究に必要な一万円の機材すら買えなかった…』と振り返る奥泉さん。しかし、人も設備も、場所も全て整った条件で、ここまで頑張ることができたのでしょうか? 繁殖が軌道に乗りクラゲの水族館として認知されるようになって、奥泉さんには国内はもちろん、世界各国のクラゲ研究者のネットワークが枝葉のように拡がりました。支えたのは「失敗は当然」と研究に向かわせてくれた村上館長。そして何も揃って無いからこそ自ら工夫し活路を見いだす、奥泉さんのハングリー精神だったと思います。新水族館構想も着々と進んでいますが、きっと新水族館も今までのように、子供たちの歓声が飛び交う、奥泉さんや村上館長、そしてスタッフ全員の想いがいっぱい詰まったものになるはずです。
近頃、「子供たちの感動が無くなった!」という声を聞きます。右を向けば左を向くものもいる…それが子供だと思います。「大人が、頭ごなしに子供の情操を摘み取るような事があってはならない」今回の取材を通して改めて感じました。一人の親として。
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