其の4 郷土で学ぶ

2008年05月10日(土)(テレビ朝日OA) 山口放送制作

山口県周防大島、瀬戸内海に浮かぶ金魚のようなかたちをした島。そこに「周防大島郷土大学」があります。この大学には、校舎も、専門の講師もいません。地元の人たちが運営するNPO活動です。毎回、講師を招き、ふるさとの歴史等を学んでいます。その中心が新山玄雄さん(57歳)です。新山さんは周防大島の端にある沖家室(おきかむろ)という小さな島の泊清寺の住職です。父の晃雄さんが島の人たちが生活の糧を得るために経営していた木工作業場が赤字となり、25歳の新山さんは、両親のために島で生きることを決めます。そして、周防大島出身で、全国を自分の足で歩き、そこに暮らす普通の人たちの生活を記録し続けた民俗学者の宮本常一と出会います。「郷土大学」は、その宮本が始めたものです。宮本は「地域はそこに住むもの自らが創っていかないかぎり決してよくなることはない」と考えました。郷土大学で学んだ新山さんは、宮本が亡くなったあと休講になっていた郷土大学を再開します。そして郷土大学をベースに人のネットワーク作りを続けています。ハワイ移民した人たちをお盆に招いたり、宮本の生誕記念祭を企画したり、人の力を信じて学び続ける姿を紹介します。


瀬戸内海に浮かぶ小さな島、沖家室。そのお寺に生まれた新山玄雄(しずお)さん、
新山さんは中学生の時先生から「この島はゴーストアイランドになる」と言われ、衝撃を受けます。
◆島がゴーストアイランドに◆

父が島のための始めた作業所の借金もありました。そんな新山さんの転機は、民俗学者・宮本常一との出会いです。

◆地域はそこに住むもの自らが創っていかないと よくならない◆
「地域はそこで暮らすものが創っていかなければ、決して良くはならない」その言葉で、新山さんは島の再生にむけて情熱を燃やします。
◆場をつくる◆
新山さんのモットーは人と人がつながっていく場を作ることです。
◆夢…伝統と地域への思いを次の世代にバトンタッチすること◆
そしてこれまで続けてきた伝統と地域への思いを次の世代にバトンタッチすることが夢だと言われます。

◇ナビゲーター:脇田美代(山口放送アナウンサー)◇


◇取材:山口放送 竹村昌浩◇

瀬戸内海に浮かぶ小さな島・山口県周防大島町沖家室。80歳以上が人口のおよそ4割を占めるお年寄りの島です。そこにある泊清寺の住職・新山玄雄さんと出会って、20年近くになります。これまで福祉の問題、民俗学者・宮本常一の取材等でうかがいながら、その姿勢に強く共感しました。「地域はそこで暮らすものが自ら汗をかいて創っていくもの」それは、日本中を自分の足で歩いて調査した宮本常一の教えでもありました。新山さんは、宮本常一が晩年に始めた、人づくりのための「郷土大学」を再開、そこをベースに、地元の仲間とネットワークをひろげながら、その実践を続けています。。
いま地方は経済的に国に依存した体質になり、そこで暮らす人たちは国の援助を口にします。中央と地方のあり方を問うのではなく、地方に暮らす人たちがもっと自分たちのふるさとを愛し、お互いの人間のネットワークを強くすることが、まず大切だということを新山さんの姿で、学びたいと思い、企画・制作しました。美しい瀬戸の風景、懐かしい生活など楽しんでいただければと思います。若い人たちには、目新しい風景かも知れません。

 

海龍山 宝珠院 泊清寺

〒742-2922 山口県大島郡周防大島町沖家室260番地
TEL:0820-78-0615 FAX:0832-78-0194

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